シニア猫との穏やかな暮らし方。年齢に合わせた運動と生活リズムの作り方
<はじめに>
ゆっくりと流れる時間を楽しむ
子猫の頃は部屋中を猛ダッシュし、カーテンによじ登っていた愛猫も、年齢を重ねるにつれてお気に入りのベッドでスヤスヤと眠る時間が長くなってきます。
猫は一般的に7歳頃からシニア期に入ると言われています。若い頃のやんちゃな姿から、どっしりと構えた落ち着きのある姿へと変化していく過程には、また違った愛おしさがあります。
人間と同じように、猫も年齢に合わせて生活のペースや環境を変えてあげる必要があります。今回は、愛猫のシニア期を健やかに、そして穏やかに過ごすための「生活リズムと運動のコツ」についてお話しします。
<パート1>
愛猫からの「シニアのサイン」を見逃さない
猫は自分の老化を言葉で伝えることはできませんが、日々の行動に小さなサインが現れます。
ジャンプをためらうようになった これまで一気に飛び乗っていたキャットタワーの最上段やソファへ行くのをためらったり、途中の段を経由するようになったら、関節や筋力が衰えてきたサインです。スコティッシュフォールドのように関節に特徴が出やすい品種は、特に早めの気配りが必要です。
睡眠時間がさらに長くなった もともとよく眠る動物ですが、シニアになると1日のうち20時間近くを寝て過ごすこともあります。深い眠りにつくことが増えるため、無理に起こすのはNGです。
毛づくろい(グルーミング)が減った 体が硬くなり、背中や腰回りなど遠い場所に口が届きにくくなります。その結果、毛玉ができやすくなったり、毛ヅヤが落ちたりすることがあります。
<パート2>
シニア猫のための「バリアフリー」な部屋づくり
愛猫からのサインを感じたら、家の中を少しずつ「シニア仕様」にアップデートしていきましょう。
1. 段差をなくし、滑り止めを強化する
高い場所へ上るための「ステップ」の段差はさらに低く、なだらかにしてあげましょう。また、踏み外した時のために、着地地点には厚手のラグやタイルカーペットを敷き、足腰への負担を徹底的に減らします。
2. トイレの「壁の高さ」を見直す
シニア猫にとって、トイレの縁(壁)をまたぐ動作は想像以上に大変です。粗相が増えたと感じたら、入り口の壁が低いシニア向けのトイレ容器に変えるか、スロープをつけてあげるだけで解決することが多くあります。
3. 温度管理は「少し暖かめ」が基本
筋肉量が落ちると体温調節が難しくなり、寒がりになります。夏場の冷房の効きすぎには特に注意し、冬場はフカフカの暖かいベッドを日当たりの良い場所に複数用意してあげてください。
<パート3>
負担をかけない「1日3分」のシニア向け運動
「シニアだから」とずっと寝かせておくだけでは、筋力や認知機能がどんどん低下してしまいます。無理のない範囲で体を動かし、脳に刺激を与えることが大切です。
激しいジャンプより「平面の動き」を 猫じゃらしを高く振り上げてジャンプさせる遊びは控えめに。床の上を這うようにゆっくりと動かして、「目で追う」「前足でチョイチョイと触る」といった平面の動きを中心に遊びましょう。
短時間をこまめに シニア猫の集中力とスタミナは長く続きません。「1回3分程度」の短い遊びを、猫が起きている時間に1日数回行ってあげるのが理想的なリズムです。
ブラッシングを極上のマッサージタイムに 自分で毛づくろいができなくなった分、飼い主さんが丁寧にブラッシングをしてあげてください。皮膚への適度な刺激は血行を促進し、素晴らしいスキンシップと運動の代わりになります。
<まとめ>
愛猫のペースに「人間が合わせる」幸せ
シニア猫との暮らしで一番大切なのは、人間の都合を押し付けず、「愛猫のゆっくりとしたペースに合わせてあげること」です。
若い頃のような激しい遊びは減るかもしれませんが、その分、膝の上に乗ってきたり、隣で寄り添って喉を鳴らしたりする「静かで穏やかな時間」が増えていきます。 それは、長年連れ添ってきた飼い主さんだからこそ味わえる、ご褒美のような時間です。
日々の小さな変化に寄り添いながら、1日でも長く、健やかで幸せなシニアライフを楽しんでくださいね。

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