爪とぎについて

とうふ先生(TOFU SENSEI)
9月11日
読了時間: 5分

爪とぎをするのは、重要な本能的な行動であり、さまざまな目的があります。

【爪とぎをする主な理由】

爪のメンテナンス 猫の爪は層になっており、古くなった表面の層を剥がして、下にある鋭い新しい爪を出しています。これは、獲物を捕まえたり、木に登ったり、身を守ったりするための重要な行動です。室内で暮らす猫にとっても、この習性は残っています。
マーキング（縄張りの主張） 猫の肉球には「臭腺」という、その猫特有の匂いを出す分泌腺があります。爪とぎをすることで、この匂いを擦り付け、「ここは自分の縄張りだ」と主張しています。また、爪痕を残すこと自体もマーキングの一種です。特に、背伸びをして高い位置で爪とぎをするのは、自分が大きく強い猫だとアピールするためでもあります。
ストレス解消と気分転換 寝起きや、知らない人が来た時、他の猫と喧嘩した時など、気分を切り替えたい時やストレスを感じた時に爪とぎをすることがあります。爪とぎは、猫にとって気分を落ち着かせ、嫌な気分を発散する生理的な現象です。
飼い主へのアピール 飼い主の近くでわざと爪とぎをするのは、「遊んでほしい」「かまってほしい」といった、飼い主へのアピールであることもあります。

【人気の爪とぎグッズの種類】
1. ダンボール製
最もポピュラーなタイプです。安価で種類が豊富、猫が好む子が多いのが特徴です。
とぎクズが出やすいというデメリットがありますが、最近はクズが出にくい工夫がされた商品も増えています。
- バリバリボウル（猫壱）
  - 猫の体にフィットするすり鉢状の形状が特徴で、爪とぎとベッドの2つの機能を兼ね備えています。
  - 多くの猫がこの上でくつろぐため、爪とぎをしながらリラックスできると評判です。
  - 交換用の爪とぎも販売されており、経済的です。
2. 麻製
ダンボール製に比べて耐久性が高く、とぎクズが出にくいのが特徴です。木の皮に近い感触を好む猫が多いです。
- ポール・タワー型
  - 立って体を伸ばしながら爪とぎができるため、猫の満足度が高いです。
  - キャットタワーと一体になったものも人気で、爪とぎ、遊び場、休息場所として多機能に使えます。
  - エイムクリエイツの「ミューガリガリウォールスクラッチャー」など、壁に立てかけるタイプも人気です。
3. カーペット・布製
もともとカーペットや布製のソファで爪とぎをしてしまう猫にぴったりの素材です。丈夫でとぎクズが出にくく、長持ちします。
- マット・シート型
  - 床に敷くタイプや、ソファのひじ掛けに被せるタイプなどがあります。
  - サンコーの「吸着壁に貼れる猫のつめとぎ」のように、壁に貼って使える吸着タイプのシートも人気です。
＜参考＞amazon 売れ筋ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/pet-supplies/2155373051

【爪とぎグッズを選ぶ際のポイント】＊最も重要なのは「愛猫の好み」です。
1. 素材の好み
  - ダンボール、麻、カーペットなど、猫によって好みが分かれます。まずは安価なものから試して、どの素材を気に入るか観察してみましょう。
2. とぎ方の好み
  - 猫が普段、壁や柱で縦に爪を研いでいるのか、床で横に研いでいるのかを観察し、そのスタイルに合った形状（ポール型、平置き型など）を選びましょう。
3. サイズと安定性
  - 猫が体を十分に伸ばせるサイズを選びましょう。
  - 特にポール型やタワー型は、猫が思い切り爪とぎをしても倒れないよう、安定性のあるしっかりした製品を選ぶことが重要です。
4. 設置場所
  - 猫がよく過ごす場所や、爪とぎをしてほしくない家具の近くに置くと効果的です。

【爪とぎ対策】

猫の爪とぎは本能的な行動なので、完全にやめさせることはできません。大切なのは、家具や壁で爪とぎをさせないように、猫が「ここで爪とぎをしたい！」と思うような環境を整えてあげることです。

以下に、具体的な対策をいくつかご紹介します。

適切な爪とぎを用意する
- 素材や形状の多様性
  段ボール、麻縄、木製、カーペットなど、様々な素材や、平置き型、ポール型、ハウス型など、様々な形状の爪とぎがあります。猫の好みに合うものを見つけてあげましょう。
- 適切な場所に設置
  猫がよくいる場所や、爪とぎをしてほしくない家具の近くなど、猫が爪とぎをしたくなる場所に置いてあげると効果的です。
爪切りをこまめに行う 定期的な爪切りは、爪とぎの頻度を減らし、万が一家具などを引っ掻いた時のダメージを最小限に抑える効果があります
してほしくない場所への対策
- 爪とぎ防止シートを貼る
  壁や柱、ソファなど、爪とぎをされて困る場所に専用のシートを貼ることで、爪とぎの被害を防ぐことができます。
- 猫が嫌がる匂いを付ける
  猫が苦手な柑橘系や木酢液などの匂いのスプレーを、爪とぎをしてほしくない場所に吹きかける方法もあります。ただし、猫によっては効果がない場合もあります。
正しいしつけ方
爪とぎをしている時に大声で叱ったり、体罰を与えたりするのは逆効果です。猫はストレスを感じたり、「爪とぎをするとかまってもらえる」と勘違いしたりすることがあります。爪とぎをしようとしているのを見つけたら、優しく声をかけて、用意した爪とぎに誘導してあげましょう。上手に使えたらたくさん褒めてあげることが大切です。