猫のトイレ事情について

とうふ先生(TOFU SENSEI)
9月18日
読了時間: 4分

【猫のトイレの歴史】

猫を室内で飼うことが一般的になったのは、比較的最近のことです。

それ以前は、猫は屋外で飼われることが多く、排泄は外で済ませていました。室内飼いが広まるにつれて、猫の排泄問題を解決するためのトイレ用品が開発されてきました。

＜初期＞

新聞紙や土、砂 最も初期の室内用トイレとしては、新聞紙や庭の土、砂などが使われていました。しかし、これらは吸水性や消臭効果が低く、ニオイや衛生面で多くの問題がありました。

＜1940年代＞

鉱物系の猫砂（粘土）の登場 1947年に、アメリカのエドワード・ロウ氏によって鉱物系の猫砂（クレイ）が開発されました。ロウ氏が、近所の人が猫のトイレに使う砂を探しているのを見て、粘土が吸水性に優れていることに着目しました。この鉱物系の猫砂は、ニオイを吸収し、おしっこを固めることができるため、猫のトイレ事情に革命をもたらしました。

＜1980年代＞

おからや紙、木材など多様な素材の登場 鉱物系の猫砂は、安価で性能も良い一方、重く、処分が大変という問題がありました。この課題を解決するため、1980年代以降、おから、紙、木材、シリカゲルなど、さまざまな素材の猫砂が開発されました。特に、おからや紙などの猫砂は、使用後の処理が簡単で、燃えるゴミとして捨てられる利点があり、日本の住宅事情にも適していました。

【近年の猫のトイレ事情の傾向】

近年は、猫の高齢化や多様なニーズに対応するため、より機能的で付加価値の高い商品が増えています。

システムトイレの普及 2000年代以降、システムトイレが急速に普及しました。これは、おしっこを下に敷いたシートが吸収し、うんちだけを都度処理する仕組みです。これにより、おしっこの処理の手間が大幅に減り、ニオイも抑えられるようになりました。特に、共働き家庭や多頭飼い家庭など、こまめな掃除が難しい飼い主から支持されています。
高機能な猫砂の登場 猫砂も進化を続けています。
＜強力な消臭・抗菌効果＞
活性炭や銀イオンなどを配合し、ニオイをさらに強力に抑制するものが増えています。

＜飛び散り防止＞
猫砂の粒を大きくしたり、重くしたりすることで、猫がトイレを出た後の砂の飛び散りを抑える工夫がされています。

＜トイレに流せるタイプ＞
環境に配慮し、使用後にそのままトイレに流せる猫砂も人気です。
デザイン性の重視 猫のトイレは、生活空間に置かれるため、インテリアになじむようなデザイン性の高い商品が増えています。部屋の雰囲気を壊さない、シンプルでおしゃれなデザインのトイレが多くのメーカーから販売されています。
高齢猫・病気の猫への配慮 猫の平均寿命が延び、高齢猫が増えています。足腰が弱った猫でも楽に乗り降りできる、入り口が低いトイレが開発されています。また、健康チェックができるように、おしっこの色を変化させることで病気の兆候を教えてくれるトイレシートなども登場しています。
スマートトイレの登場 IoT技術の進化に伴い、猫の健康管理に特化した「スマートトイレ」も登場しています。
- 排泄物の量や回数を自動で記録し、体重を測定することで、猫の健康状態の変化をアプリで確認できます。
- これにより、病気の早期発見につながる可能性が高まります。